入構作業員管理業務のデジタル化

株式会社ナプコ様は、1926年(大正15年)に創業された施設のメンテナンスや塗装工事を手掛ける施工業界のパイオニアです。長年蓄積された高度な施工技術により、わが国の重要な社会インフラである高速道路のメンテナンスや橋梁塗装などの事業を手掛けられておられます。 同社にとって日本各地に点在している工事現場での作業員管理は、工事の安全と施工品質を担保する上で重要です。これまで作業員管理は、FAXなどを使った報告をもとに手作業で集計していたため、現場および本社での大きな作業負担となっていました。 今般、一連の入構作業員管理をデジタル化し、抜本的な業務改革をしたいとのご相談を頂きました。

napoffice
商号
株式会社ナプコ
創業
大正15年12月
所在地
本社:東京都江東区木場2-21-5
従業員数
110名
資本金
5,000万円
事業概要
橋梁塗装工事
高速道路メンテナンス工事
タンク・プラント塗装工事
マンションリニューアル工事

課題

工事現場での作業員の入構状況を把握するためには、毎日、現場からメール・FAXで入構状況を送信し、本社で集計作業を行います。その後、メールで役員・管理職に報告する流れとなっていました。このため、次のような課題を抱えていました。

  • 工事現場にFAXが無い場合には、最寄りのコンビニまで出向いてFAX送信する必要があった。
  • メール報告の場合には、入構会社ごとの作業者を確認し、一名ずつ入力して、送信する必要があった。
  • 本社の管理部門では、現場から送られてきたメール・FAX用紙約50枚から工事現場・入構会社ごとに作業員をインプットし、役員・管理職へメールにて報告する必要があり、手間と時間を要していた。
  • 役員・管理職は、日々の入構作業員の状況把握までに時間を要し、タイムリーに把握することができなかった。
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デジタル化による新しい業務モデル

NAISコンサルティングは、ナプコ様が2枚の資料に纏められた「現行業務の課題と改善要望」を基に、業務フローとデータモデルを分析し、工事現場の入構状況をリアルタイムに把握するクラウドアプリケーションをご提案しました。

  • 工事現場の責任者は、毎朝、スマホから入構会社ごとに作業員の入構実績と翌日の予定を入力します。
  • 管理職はスマホから、本社管理部門はパソコンから、工事現場・入構会社ごとの作業員の状況をリアルタイムに把握可能としました。
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画面・Excelアウトプットの例

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デジタル化の効果

全国の工事現場および本社での主な導入効果は次の通り。
入構作業員管理にかかる作業時間を月間348時間(82%)削減し、大幅な合理化を達成しました。

  • 工事現場での入構作業員のスムーズな報告を実現し、コンビニなどに出向く必要が無くなった。
  • FAX送受信が無くなり、ペーパーレス化が図られた。
  • 役員・管理職は、現場ごとの入構状況をリアルタイムに把握できるようになった。
  • 本社管理部門での入構状況の集計作業が不要になった。また、メールによる役員・管理職への報告作業が不要となった。
  • 管理者が安全パトロールのために現場を巡回する際、事前に入構者を把握できるようになり、現場管理の効率化につながった。
  • 突然の休講者が発生した場合の迅速な対応が可能になった。
  • 入構作業員のデータ蓄積により、労務管理の分析基盤が整えられた。
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ベトナム「ラボ型オフショア」を活用したアジャイル開発体制

クラウドアプリケーションの開発にあたっては、主に日本国内で要件定義・基本設計を行い、その後の工程はアジャイルによるベトナム現地でのオフショア開発を活用しました。これにより、ナプコ様のご期待にお応えしたコストパフォーマンスの高いクラウドアプリケーションをご提供いたしました。

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ナプコ様の声

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NAISコンサルティングにご相談したきっかっけをお教えください。

中村社長

今般のような業務改革やデジタル化を進めていくにあたり、最初は、どの様な会社に頼むと良いのか全く見当がつきませんでした。当社ではシステム開発をした経験が無く、社内にITに詳しい人材もいません。取引先の金融機関にも相談してみましたが、明確な答えは得られず、依頼先を自分達で調べるやり方も解らない状況でした。

中村取締役

大手のIT企業は、パッケージやサービスの提供はしてくれますが、今般のようなオーダーメードのシステム開発をやってくれるのか解りませんでした。やって貰えたとしても凄くコストが掛かるのではないかと懸念していました。実は、あるホームページ製作会社にもNAISさんにお渡しした同じ資料を提示して相談してみたんです。その会社は、課題を列記した程度の資料内容という理由からか、あまり乗り気でなく、提案まで進みませんでした。 そこで、当社の顧問会計士である青山先生にご相談したところ、NAISさんをご紹介いただいきました。

NAISコンサルティングを選定し、デジタル化を推進していく過程は如何でしたか。

中村取締役

当社側からはざっくりした課題を纏めた2ページの資料しか渡せず、具体的な要件を整理しきれていませんでした。私自身、どのようにやっていけばよいのかイメージできず、ゴールも曖昧でした。それが、打ち合わせをしていく過程で、一つずつ課題やニーズを整理して解決策を導き出し、具体的なシステムの画面やアウトプットとして見える化されていったので、新しい業務モデルをイメージすることができました。
毎日、現場で入力する「入構状況の報告」画面は、シンプルな操作性にして現場の負担を軽くしたのは正解でした。予算も限られていたため、「全現場入構状況一覧」はExcel出力として、二次加工を可能にした点も利便性が高くなって良かったと思います。

システム導入後の具体的な効果は如何ですか。

中村取締役

現場での入構状況の報告負担は激減しました。従来であればネット環境が無い現場だとコンビニまで30分掛けて出向いてFAX送信する所もありましたが、今ではスマホから入構作業員を直ぐに報告できるようになり、かなりの工数を削減できました。
本社では、現場から毎日送られてくる50枚以上のFAX用紙を分類してExcel表にインプットし、管理者や役員へメール送信していました。毎日2時間掛かっていた作業ですが、システム導入後は、入構状況の確認をするだけになり、5分程度で済ませられるようになりました。
また、これまで全現場の入構状況は、紙に印刷して本社だけにファイリングしたため、各現場の入構責任者は、他の現場の入構状況を把握する事が出来ませんでした。それが今では、全現場の入構状況をスマホで見られるようになったので、責任者の意識改革にも繋がりました。
現場の安全パトロールの際にも、移動しているクルマの中で事前に入構状況を確認できるため、管理作業の効率化も図られました。

今後の展望や新たな業務課題についてお教えください。

中村社長

当社のような中堅建設企業には社内にITに詳しい人材がいないため、税務、法務、労務の顧問と同様なIT顧問のニーズはあります。
IT顧問に現状業務の診断をしてもらって、現状の問題や課題を調査し、業務改革の糸口を示して頂くのはデジタル化を推進する上で有意義だと思います。ただし、IT業界には士業のような独占業務を持つ資格や標準的な料金体系も無いため、企業側にとっては料金が適切なのか判断することができません。建設業界のように標準的な単価や見積手法も無いようなので、コストの相場観が解りづらいという印象を持っています。

中村取締役

今般の入構作業員管理業務のデジタル化によってベースとなるシステム基盤を整備できました。今後、データの蓄積も進むため、より一層システムを有効活用したいと考えています。
今年4月からの法令改正に伴い、社用車運転時のアルコールチェックが義務化されました。この対応をどうやって効率的に行うかもデジタル化のテーマになってきます。
NAISさんには、当社のIT顧問としてデジタル化の様々な相談に乗って貰うことを期待しています。

NAISコンサルティングは、中堅・中小企業の業務改革に貢献いたします。

当社は、お客様のIT顧問として中堅・中小企業のデジタル化を推進し、業務改革に貢献してまいります。
コンサルティング・要件定義・基本設計までの上流工程は、経験豊富なベテランエンジニアが日本で実施します。下流工程のソフトウエア開発は、ベトナム現地の高度な技術力を有するオフショア開発先と協業し、高品質かつリーズナブルなアプリケーションをご提供いたします。

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